ブルーチーズ食べたいね

工作と音楽が趣味です

愛の歌を歌え一郎 サカナクション|ドキュメント

 こんにちは。このブログも設立してから3ヶ月が経ちました。1日平均10アクセスほどのしょぼいブログですが、やってて楽しいのでいいです。この10アクセスもこのブログの存在を知っている6,7人の友人のみかも知れないと思うと寂しいですが、もし何かしらでたまたまこのブログに辿り着いた人がいるなら非常に嬉しいです。光栄です。毎日見に来てください。そんな更新してないけど。

 ひたすら好きな曲を紹介していくだけのコーナーを「名曲とぼく」と名付けてナンバリングしていたのですが、なんかダサいなと思ったのでやめました。その代わりにアーティスト名の前にひとこと添えときましたので、過去の記事も含めタイトルに注目して見ていただけたら幸いです。これはこれでダサいなと思いましたがあまり気にしないことにしました。またタイトルを変えるかもしれませんが気にしないでください。

 サカナクションが2011年にリリースしたアルバム「DocumentaLy」から「ドキュメント」です。

f:id:hajioz:20181110234640j:image

ジャケットがオシャレですよね〜サカナクションは!

 アルバムの最後の曲であるこの曲は、なんと作詞やアレンジも含め1日で完成させることをコンセプトに作られた曲なのです。8曲目の「エンドレス」が構想から完成まで実に8年かかっているのに対し、1日です1日。それなのに完成度は非常に高く、アルバムを締めくくるのに相応しい楽曲となっています。

  エレキの優しいクリーンの音で始まり、曲のほとんどの部分はアコギのコード弾きとイントロ5小節目から入って以降繰り返されるエレキのアルペジオを中心に進行していきます。このアルペジオの音は、ローファイな雰囲気を出すためにレコーディングの際強めにコンプをかけ、Pro toolsで録音したものを古いカセットテープにダビングし、再びPro toolsに戻したものを使用しているそうです。バンドスコアに書いてありました。この手間があの雰囲気を生み出しているのでしょう。恐るべきプロ根性ですね。

 1番の後、シンセでのソロがあります。メロトロン風の音で優しく柔らかく、チャイナな感じの泣かせるソロです。ここのソロが非常に好きで、いつもウワ〜〜となりながら聴いています。

 曲の構成は

Aメロ→Bメロ→サビ→間奏(シンセソロ)→サビ→Cメロ

といった感じです。最後のCメロは大サビでないところがポイントです。サカナクションは曲の最後に大サビを持ってくることが多いのですが、ドキュメントに関しては最後におまけのようにあるフレーズを歌っているのでCメロと書きました。このおまけが非常に大事なのですが。

 ややこしい話はさておき、歌詞についての話をしましょう。サカナクションといったら山口一郎による文学的な歌詞ですからね。

 上にも書いた通り、この曲は作詞、アレンジなど全てを1日で完成させることをコンセプトにした曲です。サカナクションの楽曲の作詞を行なっているボーカリスト山口一郎は、作詞にめちゃくちゃ時間をかけることが非常に多いです。映画のタイアップがある楽曲でも歌詞に納得が行かず〆切を過ぎたりしている人です。そんな彼が1日で、ほぼ即興のような形で書いた歌詞はいったいどのようなものになっているのでしょうか。

 全部書くと長ったらしいので一部分だけ抜粋すると

 

愛の歌 歌ってもいいかなって思い始めてる

 

!!!、、?!?!??、!!!!る?!?

 私は初めてこの歌詞を聴いたときめちゃくちゃ驚きました。サカナクションの曲の歌詞は難解であり、文学的であり、恋愛要素が皆無であるものがほとんどだったからです。君が好きだのなんだの、今までひとことも歌っていなかった山口一郎が、ましてや愛だなんて、いきなりなんの脈絡もなく歌うので椅子から転げ落ちそうになりました。

 これも、1日で仕上げるというコンセプトゆえに生まれた言葉なのかなと思います。恐らく山口一郎は、いつものように歌詞を練っている段階(この段階のことを彼は「潜る」と言います)でこのフレーズが出てきても不採用にすることでしょう。そもそもじっくりと考えていたらこんな歌詞は出てくることがないでしょう。短期間での完成という条件下で、半ば本音のような形でポロっと生まれたのが「愛の歌 歌ってもいいかなって思い始めてる」なんだと私は思います。実際にこれ以降ラブソングと思わしき曲が増えましたしね。本音でしたね。制限から生まれた奇跡みたいなワードです。素晴らしい!!!

 この歌詞はCメロに出てきます。2回目のサビが終わって、最後の歌詞として2度繰り返されます。最後に2回って、凄く強調してますよね。しかもアルバムの最後の曲ですよ。アルバムの最後の曲の最後の歌詞でいきなりそれを歌う、とんでもない感性の持ち主ですね。

 ちょっとワンフレーズの歌詞について長く語りすぎてしまいましたが、少しMVについても触れたいと思います。

 簡単に言ってしまうと、山口一郎をストーキングする可愛い女の子のMVです。非現実的だけれどもどこか生々しい、不思議な雰囲気があります。怖いということでも若干有名ですが、程度はあれ皆こんなもんですよね。好きな人のことって気になっちゃいますもんね。ドキュメントの恋愛要素とストーカーの偏愛の様子をうまく織り交ぜたMVは、やっぱりちょっと怖いですが私は大好きです。ラスサビ前に止まる演出もいいと思います。

 元々は昔DVDで発売されたサカナクションのMV集のおまけとして撮影されたものだったのですが、現在はYoutubeでも視聴可能となっています。

 

 山口一郎の曲作りに関する気持ちをどストレートな歌詞で聴けるのはサカナクションの曲の中でもドキュメントだけです。そういう点でもレアな曲なので、ぜひ聴いてみてください。ライブでやってくれたら泣いちゃうなあ。

 あ、11/13のライブ行きます。ソニックシティ。楽しみです。早くアルバム出して。