ナンセンスというセンス くるり|琥珀色の街、上海蟹の朝
皆さんお元気ですか?私は元気です。
昨日、東京の新型コロナウイルス感染者数が100人を超えました。自分を律して生活をしないと、恐ろしいことになってしまいそうです。
あまり関係ないのですがペーパーナノで東京タワーを作りました。こんなにハイクオリティなものが、1000円以下でしかも手軽に作れるなんて技術の進歩はすごいですね。
東京の名を冠する曲は非常に多く存在します。それだけ東京という都市にはいろいろなものがあり、いろいろな人に影響を与えているのでしょう。希望や失望。東京って付ければエモくなるだろう、ぐらいの感覚で曲名にしている人もいるはずです。知らんけど。
とりわけ有名なのはくるりの「東京」でしょうか。いい曲ですよね。今日は紹介しませんが。
今日はくるりの「琥珀色の街、上海蟹の朝」という曲のお話をしていきたいと思います。
お洒落なジャケットですね。
こういう、ミドルテンポでフワフワしつつも地に足ついてる感じの曲、大好きなんですよね。
Aメロ、Bメロとラップ調で歌われています。語尾で韻を踏む脚韻がほとんどで、踏み方もシンプルというか、正直物足りないと感じてしまいますが、HIP HOPを聴いているわけではないのでそこはどうでもいいのです。大事なのは何を伝えたいかなのです。
Aメロ、Bメロでは音数も少ないためベースが比較的目立っています。ワウを効かせていてファンキーな響きです。ちょくちょく出てくるオクターブの上昇フレーズが気持ちいいですね。ベースのこういうフレーズ、このテの曲に多い気がします。
サビに入ると思いきや、また最初と同じフレーズに戻ります。韻を踏みながら何やら難しい話をし続け、サビに入るのは曲が始まって2分が経過した頃です。
上海蟹食べたい あなたと食べたいよ
上手に割れたら
??????どういうことなのでしょうか。これまでの歌詞とは全く関係ない、蟹食べ行こうみたいなことを言い出しました。センスないですね。
いや、これこそがセンスなのです!
歌詞について深く考えることは楽しいですが、この曲に関してはあまり考えすぎない方が曲本来の味を楽しめるような気がします。何が言いたいか?あなたと上海蟹が食べたいんです。溢してもいいから。それだけです。
キーボードが若干の中華っぽさを帯び、女性コーラスも混ざり、非常に綺麗なサビです。
思えばこのような、言いたいことがあるようでないようで、あるようで…みたいな曲って割と多くあります。あるんでしょうけど、とにかくサビで急にナンセンスな歌詞が現れると、高いところから落ちたときのような浮遊感を感じますよね。感じませんか?
その後も路地裏のニャンコやら嶺上開花本繻子やらいろいろ言いながら曲は進んでいきます。
この曲は「Just Two of Us」と呼ばれているコード進行に近い進行ですね。王道オシャレです。
センスのあるコードにファンキーでありながらも寂しさを感じさせる演奏を交えながら、サビで急にストン、と、ある意味場違いな言葉を並べ立てています。そこに感じる違和感や面白さが、段々と癖になっていってしまうのです。
同じようなタイプの曲として、OKAMOTO'Sの「NEKO」が挙げられます。この曲も似た進行で、サビでいきなり「ネコ撫でよう」ですからね。ベースのフレーズも似てるし。どちらも大好きです。
こういう奇妙とも言える曲に心を掴まれてしまいます。聴き慣れてしまえば違和感はなくなりますが、初めて聴いたあのときの気持ちは今でも忘れません。え、ここまでサビ焦らしておいて上海蟹なの?ふーん、いいじゃん みたいな。
有名な曲なのでサビだけ知ってるという人もいることでしょう。もったいない!溢しちゃダメだぞ!
私もいつかあなたと上海蟹が食べたいです。溢しちゃダメです🦀