ブルーチーズ食べたいね

工作と音楽が趣味です

泣かないで cinema staff|GATE

 こんばんは。春休みが終盤に差し掛かってきています。助けてください。休んでいる感じがしません。これでは春休みじゃなく、春です。休みをください。

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 cinema staffというバンドは歌詞がダサいです。それも9mm Parabellum Bulletのようなシブいダサさではなく、思わず小声で「ゃば…」と口にしてしまうような感じのダサさです。

 「優しくしないで」という曲の歌詞を見てみましょう。

 

右向いて分かったよ 10数えたらあいつがいた

気がつかないふりしたら 理屈が砂に溶けた気がしたよ

地べたに立つ僕はまだ 気をつけのままで血を流す

季節がただ笑ってるね ダンスナンバーかけて踊ってるよ

傷つくのは当たり前さ めちゃくちゃに歩いて戻ろう

喧騒の/中に/入る/俺を/かまうな/優しく/しないで!

窓辺にいるだけなのさ 忘れそうな形を思い出せ

クールな呼気買ってきてよ それで僕は肺を満たしたいよ

未来ならサイで決めようぜ

 

 書いてたら楽しくなってきて全て書いてしまいました。絶妙なダサさがありませんか?「気をつけのままで血を流す」「クールな呼気買ってきてよ」など、言葉選びのセンスが堪らないです。

 もちろん私はシネマのファンなので、ダサいダサいと言ってるのも褒め言葉として捉えていただけたらと思います。補って余りある名曲がたくさんあるのです。

 そんなシネマですが、今回紹介する「GATE」という曲は歌詞が全くダサくありません。それどころか、情景豊かでエモーショナルな素晴らしい歌詞で最高なのです。

2月を過ぎた東京にいる 呼吸をすれば目の前塞がる

忘れた頃に見つかる青空 ふとした隙も排気ガスで隠れるのさ

信号が赤を指す うずくまって吐き出す言葉の中

勘違いの成れの果ては君とのさよならでした

彼女は攫われていった 瞬きしている間に

2月を過ぎた東京にいる ふとした隙も排気ガスで隠れるのさ

信号が赤を指す うずくまって吐き出す言葉の中

気にしないで 気にしないで 明後日には忘れるさ

刺されども刺されども また突き刺さる言葉

勘違いの 成れの果ては 君との さよならでした

 

 今回の記事、なんだか歌詞を書いてばかりですね。また楽しくなって全部書いてしまいました。でも、とても素敵な歌詞じゃないですか?具体的過ぎず、抽象的過ぎず、いい塩梅で風景の描写ができていて最高だと思います。なんのことを歌っているのか分からなくても感動できる、それくらいの説得力がある歌詞です。

 歌詞以外のところにも目を向けていきましょう。

 まずイントロ、2本のギターで同じコードをかき鳴らしています。全てダウンピッキングで行うのがポイントですね。いい音が鳴っています。

 ピタッと止まり、ドラムとベースも入ってきます。ここ、鳥肌です。唸ってしまいますね。ただコード、ルートを弾いているだけなのにフルパワーエモーショナルです。

 そしてギターのリフ、これがまた堪らないのです。コードはそのまま、カポ1フレットで開放弦を混ぜたフレーズを弾きます。そしてここで拍子が変わります。シネマは変拍子の曲が多いのですが、どれも聴きやすく、自然な感じなので覚えやすくて好きです。

 サビでもコードは変わりません。「勘違いの成れの果ては君とのサヨナラでした」「彼女は攫われていった瞬きしている間に」と歌います。失恋ソング、お別れソングなのでしょう。泣けます。

 この曲で一番好きなポイントは、2番が終わり間奏でちょろっとギターソロみたいなのをやったあとのラストサビです。ボーカルのみで歌い、楽器全員が入ってくる、というのを繰り返します。文字に起こすと

か〜んちがいのお!ジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャカジャカ!な〜れのはてはぁ〜あ!ジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャカジャカ!き・み・と・の!ジャジャンジャジャンジャジャンジャジャンジャカジャカ!さ・よ・な・ら・でしたぁああ!って感じですね。エモいです。

 このあとの爆発的な演奏が目に見えてわかるような溜め方で、思わず目頭が熱くなってしまいます。

 ライブではこの部分はメンバー全員、観客全員でマイクを通さず熱唱するのです。これがまた感動的で、生きててよかったとまで思えてきますね。本当に大好きな曲です。シネマで一番好きです。サビの最後とアウトロでそれまでと違うコードを使っているのもキモですね。気付きにくいのですが、このコードが機能的に働いていることで曲に彩りが生まれています。

 私はサークルの4年生引退ライブでこの曲を演奏しました。最終日の一番最後のバンドのアンコール前最後の曲だったので号泣しながら弾きました。もうやることは無いのかと思うと悲しいですが、このまま一生の思い出として心に留めておこうと思います。ちなみにアンコールではinto the greenを演奏しました。最高!