ブルーチーズ食べたいね

工作と音楽が趣味です

“隙間”で語る音楽 きのこ帝国|WHIRLPOOL

 おはようございます。日本、1年前と現在では全然違うもののように感じますね。去年までは居酒屋でタバコが吸えて、ビニール袋が無料で、何も考えず外で遊ぶことができました。なんだか窮屈ですが、次第に順応していくのでしょう。頑張りましょう。

 いろいろと大変なことになっている世界、地球ですが、今日の空は青いです。明日も多分青い。梅雨明けたかな!?!?

 

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(公式による動画じゃないです)

 

 きのこ帝国の「WHIRLPOOL」という曲です。

 2012年にリリースされた「渦になる」というアルバムの1曲目を飾っています。

 

 きのこ帝国お得意のエグいリバーブに、ヘッドピーン(ギターのナット部分の弦を弾いてすごい高音を出す)やらピックスクラッチやら、要素盛り沢山の不穏な雰囲気で曲が始まります。

 しかし始まり方こそ不穏ですが、その後はひたすらD→A→C→Gを繰り返すといった、暗い要素のないコード進行で繰り広げられていきます。このギャップがいい。

 

 長めのイントロが終わると「仰いだ青い空が青過ぎて」と歌い出します。この歌詞、本当に素敵です。「あ」おいだ「あ」おい空が「あ」おすぎて…意図的に「あ」を繰り返しながらも、目の前に綺麗な青空の情景を思い起こさせます。アルバムがこの歌詞から始まるというのが最高すぎますね。

 歌詞も非常に少なく、繰り返されている部分を除くと

 

仰いだ青い空が青過ぎて

瞬きを忘れた

いつか殺した感情が渦になる、渦になる

仰いだ青い空が青過ぎて

戸惑いも忘れた

いつか描いていた未来

渦になる、渦になる

 

 これだけです。4分半のなかに、歌詞はこれだけ。あとはひたすら演奏と、同じ歌詞の繰り返しです。「仰いだ青い空が青過ぎて」の部分、佐藤千亜紀も相当気に入っているんだなってくらい繰り返してます。

 多くを語る必要なんてありません。昨今の楽曲は歌詞で全てを伝えようとして間延びしてしまっているものが多いような気がします。もちろん言いたいことは伝わるに越したことはないのですが、映画よろしく音楽にも「考える余地」というものがあってもよいのかな、と私は思います。余韻を持たせて、聴く側に委ねる。聴く側は楽曲にどっぷり浸かり、あれやこれやと思案を巡らせる。少なくとも私はそのような曲が好きです。

 「必要最低限のことは歌った、あとは演奏から感じろ。それ以外は自分で考えろ」みたいな。素敵じゃないですか?そういう男に私はなりたいです。

 

 

 

 

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この記事を書くにあたってApple MusicでWHIRLPOOLを聴いていたら、歌詞がこう表示されていました。「青いすぎて」ってなんだかJKみたいだな