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発音から学べ UNCHAIN|Libyan Glass

 こんにちは。今回はUNCHAINといういつまで経ってもブレイクしてくれないオシャレバンドのニューアルバム「LIBYAN GLASS」から表題曲「Libyan Glass」を紹介したいと思います。馬鹿にしているわけではありません。心の底から売れて欲しいと思っています。

 youtubeも公開1ヶ月で再生回数4.3万回です…なんでだ……今の若者の流行りではないのですかね。

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 このジャケットの宙に浮いてる宝石みたいなのがLibyan Glass(リビアングラス)です。リビア砂漠で取れるガラスのことらしいですヨ。水面に映る光が綺麗ですね。

 さて、アルバムの一曲目でもあるこの曲ですが、ボーカル谷川正憲のアカペラから始まります。アカペラ自体は一瞬で、すぐに他の楽器が入ってくるのですが、アルバムの一曲目をボーカルの声のみで始めることって結構高度なテクニックだと思うんです。「アルバムの一曲目」といったらそのアルバムの全体の雰囲気を感じさせ、且つ聴く人の気分を高揚させるものでなくてはありません。例外もありますが、多くのアーティストは「始まるぞ……!」と思わせるような曲をアルバムの一曲目に持ってきます。そしてその雰囲気を聴く人に届けるための第一音には、声よりも楽器で作り出した音の方が優れていると思うのです。そこにあえてボーカルを持ってきて、さらに雰囲気も持たせるというのはかなり難しいワザなのではないでしょうか。すごいですね。

 歌は

Take my effort to make a decision, thinking is making me crazy

と始まります。これをタタタタタタタン、と7連のリズムで発音しているのですが、実際にやってみると、めちゃくちゃ発音しやすいんです。おそらく、このフレーズを4つに区切るように、e、もしくはeiの発音が混じっているからだと思います。

“take”, “effort”, “make”, “making”, “crazy”  の5つですね。この音が間に入ることで、発音に区切りを持たせて言いやすくなっているのです。UNCHAINが作詞と作曲をどちらを先に行なっているのかは知りませんが、どちらにせよすごいテクニックだと思います。

 あと、これは完全に私の好みの話ですが “Take my effort to make a decision” で曲が始まるのかっこよすぎません?言葉がかっこいい。知人の地元のバンドの曲をたまたま聴く機会があったのですが、サビ入り直前のキメからの “you should be” でサビに入っているのを聴いて「ダサ!」と思ってしまいました。私もバンドマンの端くれですので、何も知らない人に歌詞のことを言われるのはカチンとくることは分かりますが、私はダサいと感じてしまった。せっかくのキメからのサビなんだから、もっとかっこいい言葉あったんじゃない?とか、英語苦手の民かな?とか…性格の悪さが滲み出てきていますね。ごめんなさい……バンドを批判したいのではなく、UNCHAINを褒めちぎりたいのです……

 UNCHAINは結成から20年以上経つベテランバンドで、初期の頃と比べると音楽性が違っています。「カバーばっかやりすぎて変になった」と言う初期のファンもいますが(ひどいな!)、シティポップという根本的なところから離れずにバンドをアップデートし続けている点で非常に素晴らしいと思います。集大成のようなアルバムですので、初期のファンの方にこそ是非聴いて頂きたいものですね。演奏のうまさは相変わらずです。こんな洒落たフレーズ思いつかんわ あともっと売れてくれ頼む